前回からの続きです。
人材アセスメントの価格は主に次の3点で決まります。
① アセッサーや運営スタッフの仕入れ価格(変動費)
② 諸々の販売管理費(固定費)
③ のっける利益率や利益額
そして人材アセスメントの価値、これを「受講者の満足度」「評価の信頼性」など曖昧なものにおいてしまうと、費用対価値が測り難いので、量的に明確なものである「コンピテンシーの体系と数、評価段階、受講者の方の強みや改善点の数」を人材アセスメントの価値をして設定します。
例えばコンピテンシーの体系を「思考領域・対人領域・資質領域」とかの3個、「現状改善・未来改革・人材活用・人材育成・社内信頼・社外信頼」とかの6個に設定した場合、6個のほうが価値があるとします。
例えばコンピテンシーの数を「理解・計画・説得・受容・自立・挑戦」とかの6個、「理解・分析・創造・立案・概念…(以下省略)」とかの30個に設定した場合、30個のほうが価値があるとします。
このように評価段階は2段階よりも10段階、受講者の方の強みや改善点の数は1個よりも4個、これらの数の多さで価値が上がるとすると、人材アセスメント業者はこれを訴求ポイントとして設定します。
「コンピテンシーの体系と数、評価段階、受講者の方の強みや改善点の数」を多く設定し、これだけの数を評価するためには「演習の数が必要です」「アセッサーの人数が必要です」「そして日数が必要です」となり、結果的に変動費である「アセッサーの数×日数」で価格が決定されることになります。
ここで注意すべきは、「コンピテンシーの体系と数、評価段階、受講者の方の強みや改善点の数」と「アセッサーの数×日数」のバランスであり、A社とB社の見積書で前者に大きな違いがなく、後者に違いがあった場合、その付近を丁寧に確認することで「③のっける利益率や利益額」のスタンスが明確になるものと思われます。
そして、このバランスが悪く、「③のっける利益率や利益額」を厚くする人材アセスメント業者は、訴求ポイントとして次のようなことを挙げてきます。
・フィードバックを厚くすることで受講者の満足度を上げていきます。
・演習を数多く実施することで評価の信頼性が高まります。
・戦略やリーダーシップに関する講義を組み込むことで育成の面でも効果が期待できます。
・弊社のアセッサーは厳しい検定試験(笑)を潜り抜けてきた精鋭です。
思考面だけを評価するのであれば「演習は1種類」で十分、対人面と資質面の2領域だけを評価するのであれば「演習は2種類」で十分というのが今の人材アセスメント業者の基本的な考え方です。
少し極端な意見ですが、「コンピテンシーの体系は0、その数は1、評価段階は2段階、受講者の方の強みや改善点の数は当然0」を量とする人材アセスメントであれば、演習は1種類、そしてアセッサー1人で1日あたり80~100人の評価は可能かなと…。
前提として、コンピテンシーは『今後、活躍できそうな人』、演習は『ビジネスゲームを延々と8時間』、評価段階は『活躍しそう』『活躍は難しい』、そもそもこれを人材アセスメントの価値とする企業さんは少ないと思いますが、よろしければいかがでしょうか?
受講者100人を1日で評価しますので、受講者1人あたり1,000円でお引き受けいたします(笑)
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