受講者に対するフィードバック②

前回、人材アセスメントのフィードバック(アセッサーが受講者に対して人材アセスメントの結果を口頭で伝える。時間は約30分間程度)の歴史的背景を考えるとともに、よくあるクレームもご案内しました。


①アセッサーが良いことばかり言って参考にならない

②評価結果を明確に言わない

③評価結果に至るプロセスを具体的に言わない

④今後、どうしていくべきかのアドバイスがない


受講者の方の納得度を高めるためのフィードバックで、このようなクレームが発生してしまっては本末転倒です。そこで運営側として留意すべきことをいくつかご案内します。


まず、このフィードバックの位置づけに関する説明不足が、クレームの最も大きな原因となっています。


説明する相手は受講者、説明する側はアセッサーの責任者(コース運営担当のアセッサー)、フィードバックを実施する前の全体講義の際、「意義」と「内容」について明確に説明することがポイントです。経験上、受講者を一同に集めて実施する全体講義の際、アセッサーの責任者は受講者に対して「フィードバックの時間、進め方、持ち物」など、オペレーションについての説明が主となる傾向があり、フィードバックのコンテンツについての説明は疎かになります。この場合、受講者はフィードバックに対する期待値を自身の中で個々に確立してしまうため、その乖離がクレームとなって表出します。


一般的に2~3日間かけて人材アセスメントを実施し、最終局面で約30分間のフィードバックを実施するとなると、自ずと受講者の期待値は高まります。その期待値の凸凹を平らにすることを目的に、アセッサーの責任者(コース運営担当のアセッサー)は丁寧に「意義」と「内容」を説明することが求められます。この場合、「意義」については抽象的な美辞麗句になりやすいので、「内容」については具体的に現実的にする必要があります。


・フィードバックする項目

 受講者の強みとなるコンピテンシーとその項目数

 受講者の改善点となるコンピテンシーとその項目数

 各演習の中での特徴的な行動(プラスもマイナスも)

 

・フィードバックしない項目

 コンピテンシー別の定量的な評価

 受講者全体の中でのポジション

 合否やその基準


一例ですが基本的にはこのような内容となります。フィードバックする項目については、受講者の個人的な釣書きで善し悪しはなく、フィードバックしない項目については釣書きに対する周りとの関係で善し悪しが在るものと考えてください。


経験上、フィードバックを担当するアセッサーは「フィードバックしない項目」については敏感ですが、「フィードバックする項目」については案外と粗雑であり、抜け漏れが発生する傾向があるので注意が必要です。


このように、受講者側の期待値を適切に修正することで「②評価結果を明確に言わない」といったクレームについて抑制は可能ですが、「①アセッサーが良いことばかり言って参考にならない」「③評価結果に至るプロセスを具体的に言わない」「④今後、どうしていくべきかのアドバイスがない」については果たして??


次回に続きます。