人材アセスメントの種類

はじめに


受講者の方からも人事ご担当者からも頻繁にお伺いするお話があります。


「以前の昇進昇格アセスメントと違って今回は難しかった」

「3年前まで実施していた人材アセスメントに比較すると費用が高い」


詳しく確認させていただくと、「アンケート項目に自ら解答し、その結果で順位が決定するといった内容」、「受講者が業務に関する論文を作成、その内容を第三者と人事部門が確認・評価して昇格者を決定する内容」、確かに受講者を評価するのでアセスメントと呼んでも問題ないとは思いますが、当業界の一員からするとアセスメントと呼ぶには抵抗がある内容と考えます。


人材アセスメントを区分する


いくつかの基準によって人材アセスメントは区分することが可能です。まず今回ははじめに「自己申告形式」か「他者評価形式」かで区分してみます。


自己申告形式


いくつかの設問・質問・アンケート項目に対して受講者が自分で解答を進め、その傾向や得点などから受講者のマネジメントスキルの水準、コンピテンシーの傾向、行動スタイルの特徴を結果として導き出すものがこれに該当します。


メリットとしては、いわゆるアンケートシステムであり、多くの受講者を低コストで受講させることが可能です。時間もかからずお金もかからないこの仕組みは多くの企業さんで広く利用されていますが、あくまで自己申告であり、「○○○と考えている」「✕✕✕が得意である」と結果が出たとしても、「本当に○○○と日常的に考えているか」「本当に✕✕✕ができるのか」といった再現性の面での信頼性は低いものと考えられます。


他者評価形式


「他者評価形式」は、受講者にケーススタディに取り組んでもらい、その結果を専門家であるアセッサーが評価を進めます。ケーススタディは方針立案演習、インバスケット演習、グループディスカッションなど、いくつかのビジネスシーンを演習として模擬化を図ったものです。その結果を多面的に評価することで、マネジメントスキルのレベル、マネジメントスキルの特徴(良し悪し)が明確になります。


メリットとしては、第三者であるアセッサーが評価しますので、受講者本人が「自分は理解力が高い」と解答しても(する場面はありませんが)、演習内容が悪ければ理解力は低い評価に留まる、いわゆる客観性を備えた評価結果が得られるということになります。一方、この形式のデメリットは、多くの専門家であるアセッサーを集めて人材アセスメントを実施する必要があり、時間的にも費用的にも多くを費やすことが求められます。


自己申告形式か? 他者評価形式か?


では、どちらの人材アセスメントの種類が優れているのか?


結論は見えていますが、目的に応じて使い分けていくことになります。価格優位性と信頼性(結果を信頼できると受講者が感じる)はトレードオフの構造になっているので、「最終的な選抜か予選的な選抜か」「公式性が高いものか低いものか」「主力的なメンバーか補助的なメンバーか」など、他にも様々な場合が挙げられますが、目的を明確にして相応しいものを選択することがポイントです。


最後に


他の基準から人材アセスメントの種類を区分することもできます。次回は「現在か未来か」の基準で考えていきたいと思います。